BRAND STORY
ブランドストーリー
ブランドストーリー
118年の歴史を持ち、世界のスポーツブランドとして
確固たる存在感を見せる「ミズノ」。
卓球に本格的に参入したのは1976年。
また、1989年から全日本チームの
オフィシャルサプライヤーとして
長く日本代表を支えてきた。
「ええもん」を求めて、新たな挑戦を見せる。
取材・文=卓球王国
写真=江藤義典
text by Monthly TT Magazine
photographs by Yoshinori Eto
卓球市場において、ミズノが新たな第一歩を踏み出したのは、卓球のラバーとラケットの販売に本格的に参入した2006年だろう。それまで数多の総合スポーツメーカーが卓球市場に参入してこなかったのは、他のメジャー競技との市場の大きさの違いだけが理由ではない。卓球においては、ラバー、ラケットという非常に繊細で種類の多い用具の開発と製造に対応できない面もあったはずだ。ミズノはその卓球の専門分野に切り込んだのだ。
2006年に初の卓球ラバー『チャージ』(現在廃番)とラケット『ワールドチャンピオン』(現在廃番)を発売、その後、2014年にスピン系テンションの『GF』を発売し、ヒットさせた。ラケットではその後、2010年に『フォルティウス』(現在廃番)を発売。そしてラバーでは2017年に『Q3』(現在廃番)、『Q5』(現在廃番)を発売し、本格的に卓球ラバーの自社製造、発売に乗り出した。卓球ラバーでも短い期間で確かな結果を残し、「技術のミズノ」をアピールしている。
ミズノの最大の強みは、総合スポーツメーカーとして培ったデータ分析、研究開発、製造における技術力を卓球部門でも生かし、洗練されたブランド力によって、ユーザーに訴求する力だろう。
世界屈指のスポーツブランド「ミズノ」は、今後も卓球界の中で確実にシェアを広げ、テクノロジーとクラフトマンシップを融合させた、高性能な商品でユーザーたちを驚かせてくれるだろう。
1977年の世界選手権で高島規郎選手が履いたミズノ製Mラインの卓球シューズ(別注)。カンガルー革で作られ、軽くて丈夫。それまでの帆布製のものと違い、卓球選手の憧れのシューズとなり、別注扱いだが飛ぶように売れた(写真上)その後、Mラインはランバードマークになり、名作『ウエーブドライブ』も生まれた
撮影:高橋和幸
2019年に発売された『ウエーブモデル6』。
卓球シューズでは圧倒的なシェアを誇るミズノ
2023年に発売されたウエーブドライブ NEO3
2017年にミズノは卓球市場に衝撃を与えた。それはスピン系テンション裏ソフトの『Q3』を発売したことだ。それまでミズノのラバーはすべてドイツ製のテンションラバーだったのだが、「メイド・イン・ジャパン」の新しいラバーの開発、発売に踏み切った。
それは、ドイツ製ラバーでは他ブランドとの差別化ができないことから、ミズノ独自のラバーの製造と供給を確保していく決意の表れであり、どの卓球メーカーもできなかった、既成勢力に対するリスキーで大きな挑戦とも言える。これはまさに創業者、水野利八の「ええもんつくんなはれや」の精神とも言える。
2023年に発売した『Q POWER』。
「メイド・イン・ジャパン」へのこだわりを見せた